「あの頃はあんなに好きだったのに、私、なんであの人が好きだったんだろう」
昔の恋を思い出して、ふとそんなことを考えたことはありませんか?
付き合っていた頃は、会えるだけで嬉しかったり、連絡が来るのを楽しみに待っていたり。「この人しかいない」と思うほど夢中になっていたのに、時間が経ってから振り返ると、当時ほど魅力的には見えなくなっていることがあります。
後になって、「どうしてあんなに好きだったんだろう」と不思議に思うこともあるでしょう。
もちろん、今になってそう思うからといって、当時の「好き」という気持ちが嘘だったわけではありません。
では、あの頃の私たちは、相手の何にあんなにも惹かれていたのでしょうか。
今回は、恋をしているときには気づきにくい心の動きや、時間が経つと相手の見え方が変わる理由について考えていきます。
◆「なんであんなに好きだったんだろう」と思う恋、ありませんか?
恋をしているときには、とても魅力的に見えていた相手。
話し方や仕草が好きだったり、少し優しくされただけで嬉しくなったり、何気ないメッセージを何度も読み返したり。
友人に相手の話をしているうちに、ますます好きな気持ちが大きくなっていった経験がある人もいるでしょう。
ところが、その恋が終わってしばらく経つと、不思議なことが起こります。
久しぶりに写真を見ても以前のようにときめかなかったり、当時の出来事を思い返して「むしろ、結構振り回されてなかった?」と気づいたり。あれほど魅力的に見えていた相手が、いつの間にか普通の人に見えることがあります。
中には、友人から「あの人のどこがそんなに好きなの?」と聞かれても、当時は魅力をいくらでも答えられたのに、今となっては自分でもよく分からない、という恋もあるかもしれません。
けれど、相手が別人になったわけではありません。
変わったのは、相手を見る自分の気持ちや距離の方です。
恋をしているときと、その恋から離れたあとでは、同じ人を見ても感じ方が変わることがあります。
では、恋をしている最中の私たちは、いったい相手をどんなふうに見ているのでしょうか。
◆恋をしていると、相手の欠点まで魅力に見える?
誰かを好きになると、その人の良いところがいつも以上に魅力的に見えることがあります。
それだけではなく、本来なら少し気になるような部分まで、なぜか好意的に受け取ってしまうこともあります。
例えば、少し強引なところを「頼りがいがある」、あまり連絡をくれないところを「自分の時間を大切にしている」、気分屋なところを「自由でマイペース」と感じるなど、好きな相手だからこそ、その人の言動を良い方向に捉えていた経験がある人もいるのではないでしょうか。
もちろん、どの捉え方が正しいというわけではありません。
同じ性格や行動でも、「魅力的」と感じる人もいれば、「自分とは合わない」と感じる人もいます。恋をしているときには、その判断に自分の「好き」という気持ちも加わります。
だからこそ、恋が終わって気持ちが落ち着いたあとに同じ出来事を振り返ると、
「いや、あれ普通に嫌だったかも」
と、当時とは違う見え方をすることがあります。
相手の欠点を見抜けなかったというより、欠点も含めて好きになれるほど、その人に惹かれていたとも考えられるでしょう。
ただし、「好きだから気にならない」と思っていたことの中に、本当は我慢していたことがなかったかは、少し振り返ってみてもいいかもしれません。
恋をしていた頃の自分には魅力的に見えていたものが、今の自分にはそう見えない。
それは、相手が変わったからではなく、自分の気持ちが変わったことで、相手を見るフィルターも変わったからなのかもしれません。
◆好きだったのは「あの人」?それとも「あの人といるときの自分」?
誰かを好きになる理由は、その人の性格や見た目、考え方だけとは限りません。
「この人といると楽しい」「話していると自信が持てる」「必要とされている気がする」など、その人と一緒にいるときの自分の気持ちも、恋愛では大きな意味を持つことがあります。
例えば、普段は自分に自信がなくても、その人が褒めてくれると少しだけ自分を好きになれた。頼られることで、「自分は必要とされている」と感じられた。いつもの自分とは違って、素直になれたり、思いきり甘えられたりした。
そんな経験が重なるうちに、相手への「好き」と、その人といることで得られる嬉しさが、少しずつ一つになっていくこともあります。
また、恋愛そのものが日常を特別にしてくれることもあります。
メッセージが届くだけで嬉しくなったり、次に会える日を楽しみに仕事を頑張れたり。何でもない毎日の中に「好きな人がいる」というだけで、少し世界が違って見えることもあるでしょう。
そう考えると、あとになって「なんであの人が好きだったんだろう」と思うのは、相手に魅力がなかったからとは限りません。
もしかすると当時の自分が好きだったものの中には、相手そのものだけではなく、その人といるときに感じられた自分や、その恋がある毎日も含まれていたのかもしれません。
恋が終われば、その感覚も少しずつ遠ざかっていきます。
だから時間が経って相手だけを振り返ったとき、
「……あれ?何がそんなに好きだったんだろう」
となることがあるのかもしれません。
◆なかなか手に入らない恋ほど、夢中になってしまうのはなぜ?
なかなか会えない人や、自分に振り向いてくれるか分からない人ほど、なぜか気になってしまった経験はありませんか?
すぐに返信が来る相手より、なかなか連絡が来ない相手のメッセージを何度も確認してしまう。いつでも会える人より、なかなか予定が合わない人との約束を楽しみにしてしまう。
思い通りにならない恋ほど、相手のことを考える時間が増えてしまうことがあります。
そして、相手のことを考える時間が増えるほど、「こんなに気になるということは、それだけ好きなのかもしれない」と感じることもあるでしょう。
また、なかなか振り向いてもらえない相手の場合、「もっと自分を好きになってほしい」「いつか振り向いてほしい」という気持ちが強くなり、いつの間にか相手を知ることよりも、振り向いてもらうことそのものが恋の目標になってしまうこともあります。
もちろん、追いかける恋だから本当の恋ではない、ということではありません。
ただ、「この人のことが好き」という気持ちの中に、「手に入らないから気になる」「振り向いてもらいたい」という気持ちが重なっていることはあります。
だからこそ、その恋が終わって相手を追いかける必要がなくなると、あれほど大きかった気持ちまで不思議と落ち着いてしまうことがあります。
そんなときに初めて、
「私はあの人が好きだったのかな。それとも、あの人を追いかけている時間に夢中だったのかな」
と気づくこともあるのかもしれません。
◆思い出の中の恋が素敵に見えても、あの頃の自分を否定しなくていい
付き合わなかった相手や、十分に相手を知る前に終わった恋は、嫌な部分を見る機会が少ないまま終わることがあります。
付き合う前に終わった恋は、相手の知らない部分を知る機会がないまま、「もし付き合っていたら」という可能性ごと思い出になることがあります。
そのため、時間が経つほど楽しかった記憶や魅力的だった部分が残り、「あの人は特別だった」と思い出の中で相手が少しずつ理想化されていくこともあるでしょう。
反対に、昔は夢中だった相手を今になって振り返り、「どうしてあんなに好きだったんだろう」と思うこともあります。
けれど、どちらの場合も、今の自分の感覚だけで当時の恋を評価する必要はありません。
あの頃にはあの頃なりに、その人に惹かれた理由があったはずです。
相手の優しさが嬉しかったのかもしれない。必要とされることが嬉しかったのかもしれない。追いかける時間そのものに夢中になっていたのかもしれません。
今になって相手の見え方が変わったとしても、それは「あの恋が間違いだった」ということではなく、自分が恋愛に求めるものや、大切にしたいことが変わったからとも考えられます。
「なんであんな人を好きだったんだろう」と過去の自分を責めるよりも、「あの頃の私は、何に惹かれていたんだろう」と考えてみる。
そうすると、少し恥ずかしい昔の恋も、今の自分を知るためのヒントになるかもしれません。
◆まとめ|「なんで好きだったんだろう」は、次の恋へのヒントになる
「あの頃はあんなに好きだったのに、なんであの人が好きだったんだろう」
時間が経ってから昔の恋を振り返ると、自分でも不思議に思うことがあります。
けれど、それは当時の気持ちが間違っていたということではありません。
恋をしているときには、相手の良いところがいつも以上に魅力的に見えたり、少し気になる部分まで好意的に受け取れたりすることがあります。
また、相手そのものだけではなく、その人といるときの自分や、好きな人がいる毎日、なかなか振り向いてもらえない相手を追いかける時間に夢中になっていたこともあるかもしれません。
恋が終わり、相手から少し離れたからこそ、当時とは違う見方ができるようになることもあります。
あの頃の自分を否定しなくていいのではないでしょうか。
そのときの自分には、その人に惹かれる理由があった。
今になってその理由がよく分からなくなったのは、相手が変わったからではなく、自分の気持ちや相手を見る目が、あの頃とは少し変わったからなのかもしれません。















